実写映画化決定の【 母性/湊かなえ 】の原作小説。原作を読んでから映画をより楽しめると思うポイントの紹介!

おすすめの本

11/23に映画公開予定の『 母性 』/ 湊かなえ。母と娘、二人の語り手で構成されたこの物語。あなたなら、ある事件を紐解いていくヒントを見つけることができるかもしれません。原作小説を読んでからも映画が楽しみになったポイントを紹介していきます。

Amazon.co.jp: 母性(新潮文庫) 電子書籍: 湊かなえ: Kindleストア
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あらすじ

女子高生が自宅の中庭で倒れているのが発見された。母親は言葉を詰まらせる。「愛能う限り、大切に育ててきた娘がこんなことになるなんて」。世間は騒ぐ。これは事故か、自殺か。……遡ること十一年前の台風の日、彼女たちを包んだ幸福は、突如奪い去られていた。母の手記と娘の回想が交錯し、浮かび上がる真相。これは事故か、それともー。圧倒的に新しい、「母と娘」を巡る物語(ミステリー)。

【引用元】単行本裏面

私個人の感想

母性看護学、めっちゃ苦手だったなあ…実習ほんっとにしんどかった…一番しんどかったなあ…

と考えながら手に取ったこの本。

語り掛けるような、丁寧だけど、一部強い違和感を抱かせる内容。母視点、娘視点という感じで物語は進んでいきます。

女は2つに分けられる、母 か 娘 か。

私はまだまだ試行が娘よりなんだな、と思いました。

なぜなら、娘の思考や行動の方が共感できるものが多かったからです。

読み進めながら、徐々に明らかになっていく事実と、強くなっていく違和感のせいで、難しい言葉尻でも理解しながら読み進めようと思えてしまいます。

さらっと読むと理解が難しい言葉や聞きなれない言葉もあり、そういう意味で「どのように映像化されるのだろう?」「映像で入ってくる方が分かりやすいのかもしれない」とさえ思えました。

原作小説を読んでいてもなお、映画を見たいと思ったのは初めてのことです。

あなたは母親派ですか?娘派ですか?

ちなみにこの小説を読んでいる最中、なぜか頭の中に菅田将暉さんの”まちがいさがし”が頻繁に流れてきました。なんでだろう?

物語の進み方・ぐんぐん引き込まれる展開

前述したように、母視点・娘視点で進んでいきます。

その間に、事件の真相が気になっている誰かさんも参入してきます。

母視点【母の手記】

”私”がどれだけ、娘を大切に育ててきたのか。どんな思いを抱いていたのか。ー母をどれだけ愛していたのか。

自分がどれだけ優れているのか、母に愛されてきたのか、娘を愛していたのか、夫を愛していたのか、義実家に尽くしてきていたのか。

自分には落ち度なんてなくて、至極真っ当な生き方をしてきたといわんばかりの勢いで語っています。

むしろ、私の何が間違っていたのでしょう?状態です。

読んでいくごとに、理想の母親メッキがどんどん剝がれていくようです。

特に娘視点を読んでいくと、母親の嘘が徐々に暴かれていくようにも感じられます。

娘視点【娘の回想】

”わたし”がどれだけ母を想っているか。でもそれがうまく伝わらなくて、一方的で、母のためを思ってしていることがむしろ母を苦しめているようにも感じる。だけど、この現状をうまく変えられない。

母の望むわたしになりたいけど、母を守りたい気持ちが強く感情的にもなってしまう。

肝心の娘的な母親への要求は、なかなか表現できずにいる。

そんな娘の葛藤のようにも思える思考が展開されています。

順序的には【母の手記】のあとに【娘の回想】が続きます。

同じ場面をそれぞれの視点で順に振り返っているのですが、【母の手記】では書かれていなかった現実が【娘の回想】には描かれています。

母親の話だけを聞いていたら、決して知りうることのできない事実です。

どちらの話が真実か?

結論、どちらもあてにはできません。

自分が人に愚痴を漏らすとき、無意識的に”自分には非がないのに”というニュアンスで話してしまうことはよくあると思います。

母はまさにそのタイプ。

自分がしたことは良いことばかりが記憶に残っていて、悪事や都合の悪いことは記憶から排除してしまうし語りもしないのです。

だからといって、娘の主張も鵜呑みにはできません。

されてもいないことをされたと表現したり、起きた出来事に尾ひれをつけて、ややオーバーに表現することは誰でもしたことはあると思います。

手を振り上げただけなのに、叩かれた。少し当たってしまっただけなのに、ぶつかってきた。意図的ではないのに故意と決めつけて話を展開してしまうこともあるでしょう。

学生の頃なんかは感受性も豊かですし、より妄想じみてしまうこともあるかもしれません。

ですが、娘の行動力や想像力、欲求は共感できるものも多く、読みながらつい娘びいきになってしまいます。

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事件の真相は?(ネタバレ無し)

事件の真相は、明確にはされていません。

ただ、読み手によってどちらに思考が傾くのか、意見が大きく分かれると思います。

また、結末もハッピーエンドなのかそうでないのか、感じ方はひとそれぞれ違うのではないかと思います。私の場合は「え、大丈夫なん?この家族…」でおしまい。

決してハッピーエンドではなかったです。

あなたは事件の真相をどう考えますか?あなたにとって、この物語はハッピーエンドですか?

ぜひ意見を頂戴できたら、嬉しいです。

映画化されることについて

公式サイトの予告動画を見ました。

率直に、面白そう。

母役:戸田恵梨香さん、娘役:永野芽郁さん

公式サイトのURLを貼っておきます👇

映画『母性』オフィシャルサイト。2月22日(水)先行デジタル配信スタート!4月7日(金)Blu-ray&DVD発売! bosei-movie.jp
2月22日(水)先行デジタル配信スタート!4月7日(金)Blu-ray&DVD発売! 映画『母性』公式サイト。戸田恵梨香×永野芽郁×『告白』湊かなえ衝撃作映画化!

小説を読み終わるまで、予告動画は見ないでおきました。読み終わりで自分なりに先入観があったり、物語の大筋が分かっていて拝見しましたが、それでも面白そうだと感じました。

母視点、娘視点での表裏をどのように映像化されているのか、今から楽しみです。

先入観を持たずに映画を一つの作品として楽しまれたい方は、原作小説を読まずに鑑賞されることをおすすめします。

自分なりの考えをもって、答え合わせとはいかないけど、どう映像化されるのか?自分の解釈ははずれていないのか?そういった楽しみ方をされたい方はぜひご一読されてから。

Amazonでは試し読みもできます👇

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感想や他にオススメの小説がある方は、ぜひ教えてください🙈🤍

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