あらすじや感想、面白ポイントを紹介。購入前の参考にしたい情報がここに!”Mの女”の意味とは?一番最後に”Mの女”の意味を発表してしまいますので、知りたくない人は絶対に見ないでください。←
あらすじ
ミステリ作家の冴子は、友人・亜美から恋人タケルを紹介される。第一印象からタケルに不穏なものを感じていた冴子は、一通のファンレターえお契機に、タケルに不審を抱き、彼の過去を探ることに。するとそこには数多くの死が……!
そしてその死は着実に冴子と亜美にも近づいていた。逆転に次ぐ逆転。鮮やかに覆っていく真実。これぞミステリの真髄!
【引用元】単行本裏面より
初版:平成29年10月10日
幻冬舎文庫
面白ポイント(ネタバレ無し)
とにかく、伏線だらけ!
ミステリ好きは、ぐんぐん読みすすめられてしまいます。最後まで読み切る前に、結末になんとなく辿り着いてしまうかもしれないし、最後まで読んでもどれが真実なのか…人によって辿り着く結末は異なるかもしれません。
どう考えても怪しいと思っていたやつはもちろん怪しいし、そうじゃないかもと思っていたやつまで怪しい。
伏線も比較的伏線らしい書かれ方がしていますが、それがどこに繋がってくるのか、読み進めていくごとにしっかり腑に落ちて行って気持ちいいです。
あっという間に読み切ってしまうので、他のシリーズも読みたくなってしまいます。
もっと詳しく(ごく軽度のネタバレあり)
ミステリ作家の冴子は、同級生の亜美に再会する。そこでタケルという恋人を紹介されるのだが、冴子はタケルに不信感を抱く。
タケルについて探っていくと、周囲からの情報提供がありタケルの不信感がどんどん増していく。
実際にタケルが関与した事件で人も死んでいると発覚するが、その手は徐々に冴子と亜美に迫っているようであった。
身の危険を感じつつも、次回作のために調べをすすめていく冴子。危険なことに巻き込んでしまった罪悪感を抱える亜美—…。
情報提供者とコンタクトが取れなくなっても、諦めずに調べ続ける冴子。情報が集まってきて徐々に真実に近づいていくが、そこでたどり着いた真実とは?
誰が?なんの目的で?ー終盤の関係者からの話で明らかになる真実をもとに、あなたが辿り着く真実はなんでしょう?
Amazonでは、試し読みもできるみたいなので購入前の参考にぜひ👇
個人的な感想・要約(ネタバレる…かも?くらい)
絵を使わない、小説だからこそ楽しめる手法で、自分の想像力の限界を試されるような感覚です。状況を自分の頭の中で想像するからこそ、楽しむことができます。
最初は、読み進めていくごとに点と点がつながってどんどん線になっていく感覚でした。
”怪しいやつ”が”明らかに怪しいやつ”になっていきました。
割と序盤から冴子の推理がさく裂してくるが、途中からそう推測するのは早まりすぎでは?妄想では?思考が飛躍しすぎでは?と心配になるくらいでした。
そこから調べがすすんでいくごとに、むしろ冴子の執着や決めつけ的な考え・行動が気になるようになってきます。
そして終盤では、関係者の話を読んでいくことで解釈が二転三転。語る人物によって、状況の見え方やあやしいと思える人物が移り変わっていきます。
あなたは誰を怪しいと思いますか?”Mの女”の意味が分かりましたか?
この物語の中で、最もおそろしい登場人物はいったい誰だったのでしょう。
あなたはどの真相にたどり着きますか?
最後に・桑原銀次郎ってご存じですか?
作品の最後に桑原銀次郎という人物が登場します。
同作者の他の作品には主役ポジションで登場している人物なのだそうです。その辺りも知ってからこの作品を楽しまれたいという方は、「彼女の血が溶けてゆく」「彼女のためにうまれた」「彼女の倖せを祈れない」「彼女が灰になるまで」をご覧ください。
ただ、この方を知っているかいないかで、作中の楽しさが変わるかと言ったらそうではありません。
本当最後にちょろっと今回の事件に関して意見を述べている、というような感じです。
私は急に知らない人が出てきたので「いや、誰?」と思って調べてしまいましたが 笑
”Mの女”の意味(大ネタバレ)
そして、最後に、Mの女の意味です。
最後まで読めば、確実に意味は分かるんです。でも私は見事に読み過ごしました。
帯に書かれている”最後の最後にわかるこのタイトルの意味”という一文を読んで、そういえばスルーしてたな。どういう意味だったんだろうと読み返したり調べたりしちゃいました。
そんな同類の方がいたら、その方のための答案です。
Mの女 = メタモルフォーゼの女
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